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がんばれ 双子の兄弟力士!

隅田川東岸の下町に住んで30年になる。

F君に逢ったのは半年前。近所のコインランドリーで大きな洗濯物を洗っているときだった。
近くの相撲部屋の新米力士らしい若者が入ってきたのだ。
「失礼します。これは空いていますか。使ってよろしいでしょうか」
大きなはっきりした口調で挨拶し、上半身をきちんと折ってお辞儀をする。
最近の若者に珍しい、すがすがしい印象を与える挨拶ぶり。
だいいち、ふつうの若者は、こんなところで逢っても、会釈すらしないだろう。
親方や、周りの先輩たちの躾が行き届いているのだろうか。

「どこの部屋?」 
彼は、近くの名門相撲部屋と自分のしこ名を口にした。
東北の高校を卒業して、半年前に入門。前相撲から二場所続けて勝ち越していると言った。
身長は190センチ超と思われる。
濃い眉とすっきりした鼻筋、優しそうな目元。
日本人離れした顔がなんとも印象的だ。
聞いてみると、何と、アメリカ人と日本人の両親の間に生まれたハーフで、彼と容貌も体格もそっくりの双子の弟が同じ部屋にいるのだそうだ。

両国界隈には相撲部屋が18ほどあって、携帯電話がなかった20年ほど前には、夜中に、公衆電話に泣きながらすがりついている新米力士の姿をよくみかけたものだ。
新弟子検査を受ける若者が減り、外国人に頼らざるをえない状態が続いている。
若貴時代には当然のように続いた満員御礼も減った。
時代に合わせて変わりきれない古い体質が一連の不祥事の背景にあるようだ。

しかし、どういう事情があるにしろ、ファンは「いい相撲」を見たいのだ。
プロスポーツとして興業を続けていくには、一流の才能を持つ若者を集めてしっかり育てていくことが親方や先輩力士の第一の仕事だろう。
スピード出世の栃東や朝青龍でさえ、入幕まで丸2年(12場所)かかった。
部屋のホームページでチェックしてみたところ、いま、F兄弟は序二段の40枚目あたりにいる。
彼らをテレビの相撲中継で見られるのはいつになるのだろう。

厳しい環境に耐え、ぜひ出世して、日本中を沸かせる相撲をとってもらいたい。
若貴とは違った双子の兄弟力士として新しい角界を盛り上げてもらいものだ。
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