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浅草サンバカーニバル


明日は、浅草サンバカーニバルの日である。
今年は29回目。
最初、浅草でサンバカーニバルと聞いたとき、なんで浅草で?と思ったものだが、いまは夏の終わりの一大イベントとしてすっかり定着した。

サンバは、20世紀の初め頃、ブラジル・リオデジャネイロの山の上(「ファベーラ」と呼ばれる貧民窟)の人たちから始まった。
乱暴な言い方だが、アフリカからアメリカに上陸した音楽がジャズ、ブラジルに上陸した音楽がサンバのルーツだとぼくは理解している。
サンバというと、ブラジルの情熱的な明るい音楽、踊りと理解している人が多いと思う。
しかし、サンバの背景には、ジャズと同じようにアフリカから奴隷で持ち込まれた人たちの怨念が流れている。ジャズでいえば「ブルースの心」だし、サンバなら「サウダージ(郷愁)の心」。サンバは決して、陽気で明るいだけの音楽ではないのだ。
北米では皮膚の色による人種差別を生み出したが、ブラジルでは皮膚の色による差別は生じなかったものの、人種による経済格差を生み出した。今でこそ日系人も活躍しているが、長い間、ブラジルの政治、経済の主導権を握ってきたのは、ポルトガルをはじめとするヨーロッパの人々だったのだ。
リオのカーニバルは、山の上の貧民層による豊かな人たちへの抵抗、アピール、パフォーマンスとして始まったものだ。

日本では、サンバは、カーニバルなどのイメージから「ダンス」として、とらえられているかもしれないが、ぼくは「サンバは参加する音楽だ」ととらえている。歌ってもいいし、踊ってもいいし、楽器で演奏してもいい。

ぼくが浅草に参加したのは25年ほど前のことだったが、とんかく一度、何十万人という観客の前で腰を振ってしまったら、やみつきになってやめられない。
これまで、「サウーヂ」「インペリオ」などのエスコーラ(サンバチーム)で参加してきたが、明日は、パレードの一番先頭の、浅草サンバカーニバルのテーマを演奏しているグループで参加することになっている。

パレードも楽しいけれど、パレードが終わった後の公園通りあたりの飲み屋街でくり広げられる「パゴーヂ」(町中でギターを弾き、太鼓をたたいて、歌いながら、踊る)が、またじつに楽しい。
ふだんは競馬客であふれる通りのあらゆる店に楽器を持ち込んで、歌が始まり、楽器を持たない人たちもそれを囲んで歌い、踊り狂い、飲み屋街ぜんたいが「サンバストリート」と化すのだ。

メロディとリズムに身をゆだねれば、明るく楽しいのはもちろんだが、サウダーヂの音楽であることもわかってもらえると思う。ぜひ、足を運んでみてください。

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